2017年8月14日月曜日

メールのやりとり締めくくり

 メールでのやり取りは、以下のメールで終わりになりました。

まさお


2017年5月19日
読者B

 Aさんは私のような素人の話も聞いて下さってありがたいことです。日本のある大学では私のよ うな者が教授の間違いなどを指摘すると,「失礼な人間」ということになりました。私は個人的に呼び出されて,「学生の前で教授の間違いは指摘しないこ と」,などという注意を受けたことがあります。(一方,私の経験ではドイツの大学で教授の間違いを指摘すると,お礼を言ってもらえました。それ以来,「失 礼な」という人間はほとんどの場合,三流の人間だとわかったのです。)

 私もふくもとさんの記事は少なくとも 2 度読みました。自分が勝手に思っていたことと,法律や市場の定義などがずいぶん違うためにそれを整理することがひとつです。たとえば,私は FIT というものは,政府が税金から補助金を出すような,助成金の一種と勝手に誤解していました。そう考えていると,それぞれの意味がわからなくなります。ま た,ふくもとさんの記事では,ここは普通の常識と違う,だけではなく,それがなぜなのかの説明があることがとても助かりました。

 ほかの このような解説記事には,簡単さを売りにして,わかったような気になる甘い砂糖菓子のようなものが散見されます。しかし,砂糖菓子ばかり食べていては健康 を損うように,結局わかっていないことになります。そうすると議論にはならず,感情だけになって分断がすすんでしまいます。しっかりと血肉になるものを噛 んで食べることも必要な中,それに答えるような記事を提供して下さって感謝します。

 読む時に自分の考えていたことだけを確認するような 薄い記事ではなく,自分が,「ああ,これはわかっていなかった。」という世界を広げてもらえる記事というのはなかなかありません。そういう意味でも私には とても面白い記事です。難しさはありますが,素人にも読めるものだと思います。

ことばの定義

 メールでのやりとりの問題は、ことばの定義の問題でもあります。そこには、自分勝手な定義で議論していては議論が進展せず、不毛になりかねないこともわかってきました。

まさお


2017年5月18日
読者B
 言葉の定義をもっと respect して議論して頂けると助かります。そうでない限り,私もメイルでの議論は不毛にしかならないと思います。

 Aさんが個人的にこう思っているという意味と,法律での定義,あるいは市場での意味が違う場合,個人的に思っていらっしゃる言葉を使っても説明が理解できないのは当然ではないでしょうか。

 市場での「先物」の意味も市場での定義と違うようです。将来に買うか買わないかどうかは単なる契約です。CD などを予約して明後日買うというは先物とは関係ないことですし,来月も私は電気料金を払うということも先物とは関係ないことですが。。。しかし,先物の定義とかファイナンスの基礎の話になってもしかたがないです。

 かなり不毛になってきた感じがします。

2017年5月19日
読者B
 どうも先のメイルは何か責めているようなメイルになってしまってすみません。疑問がでることはいいのですが,定義がそれぞれ違うことをもとに議論することは難しいと思うので,ちょっと定義に戻ってみてはということです。

 実は,私自身,市場で何が先物として取引されるものかどうか,それが可能かどうかについては存じません。

 しかし,いくつかの定義が合意されていないまま話がすすんでいるようです。その一つと私が思っているのは,たとえば,先物の定義です。市場では,先物とは私の知る限り,「将来に何かを買うという権利の取引」です。「将来に何かを買うということではない」です。

 市場では,10 ユーロの価値はいくらかというようなものが取引されます。10ユーロの価値は 10 ユーロとは限らないから 10 ユーロの価値がいくらかという話になります。この意味がおわかりならば,次の説明は飛ばして下さい。

 一番簡単な例は,今日私の持っている 10 ユーロは,1ヶ月に 10 % の利子をとれば, 1 ヶ月後には 11 ユーロになりますので,今日の私の 10 ユーロの1 ヶ月後の価値は 11 ユーロになります。つまり,この仮定のもとでは,一ヶ月後の 10 ユーロは,今日の 10 ユーロよりも価値が低いです。ですから,先物では電力を買う (たとえば 10 ユーロ) の契約の価値が,20 ユーロだったりします。将来に買うということと,その買う権利の取引はまったく異なるものです。

 電力市場で取引されている商品が実際にどんなものかは私は詳しくありませんが,少なくとも,電力を買うということと同じというふうに考えているとすると,意味がとれないと思います。

 市場の話は人間が決めたことが多く,言葉の定義を丁寧に読まないと難しいとは思います。グレー電力の定義,グリーンエネルギーの定義,先物とは何か,それらは市場でしか通用しない言葉ですが,しかし,定義されています。それをふくもとさんが定義はこうです,と説明して,いや私はそうは思わないのですが,という話になると話が通じなくなります。ふくもとさんが,「ドイツでは」などと強調されるのも,市場での言葉の定義が国によって異なるからでしょう。

 私が太陽電池で作ったエネルギーは私はグリーンエネルギーだと思っています。しかし,環境庁が私のパネルを再生可能エネルギー施設とは認定していませんから,市場ではグリーンエネルギーではありませんし,そもそもこれは市場には存在すらしていません。つまり,私が自分の買った太陽電池パネルで作っている電力を私がグリーンエネルギーだと思っていることは,市場での取引には何の関係もないし,市場では間違いです。ですからこれを市場でどうかという意味はありません。しかし,誰かが電力を買ったり負担をするしくみを考える時には,この定義に従って議論しないと意味がありません。

 言葉の定義を respect して欲しいというのはこのような意味です。いかがでしょうか。

 また,このような財政の基礎の入門については私はビデオコースを作ってYouTube 上に置いてありますので,もし興味があったらどうぞ。

読者A
 相手のことを思ってくれて、どうも有難う。ふくもとさんには僕のしつこい質問ぜめにも丁寧に答えてくださって、とても感謝しています。

 僕にはまだ電力市場の世界が「群盲象を撫でる」に近い存在なのです。多少は分かっていたつもりになっていたら、ふくもとさんのブログを読んで、グレー電力、グリーン電力が僕の理解と違っていたので、ショックを受けて調べ始め、また考え始めました。電力の先物買いも取引所では行われていると知っていましたが、再生可能エネルギー電力ではできないと言われて、僕の先入観がおかしいということになり、SEWのスラデックさんなどにも聞いてみたわけです。

 時間もできた(先週はグラーツで通訳)ので、まずはふくもとさんの「エネルギー選択」を最後まで読んでみます。その上で僕なりにまとめてみて、質問があれば、またお願いします。

 

市場について

 メールでのやり取りがグリーン電力とは何かから、電力市場の問題へと発展していきましたので、ここでは市場に関することを個別に取り上げておきます。

まさお


2017年5月16日
読者B
まだ電源市場での価値がどのように,というよりもなぜ FIT ならば価値がつくのかをわかっていないようです。あるいは,市場で価値がつくという意味がわかっていないのかもしれません。

ただ,他の部分はだいだいいいと思いますので,このあたりはまたいつかお会いできた時にでも教えて下さい。

2017年5月17日
読者A
 お忙しいところ丁寧に説明してもらってありがとうございます。だいぶスッキリしてきました。僕が考えていたより随分と複雑でした。一般の人は多分ほんとわからないまま、電気料金がただ単にFITのせいで上昇していると思っているでしょうね。グリーン電力を使いたくなくても、そのための負担をしていることがわかったら、自分は払いたくないと言って、拒否する人が増えるのでは。

 確認の質問ですが、シェーナウ電気やLichtblickは直接売買でグリーン電力だけを買うようにしているのでしょうね。彼らの電気料金が他の電気会社よりも高いのはそのせいでしょうか。それとも電源証明書のせいでしょうか。

筆者
 どちらも、そう簡単にはいえません。

 市場で取引される卸電力は、FIT分の負担なしで取引され、FIT負担にしろ、電源証明書はそれに付随してくるに過ぎないからです。
市場では、卸電力は再生可能エネルギーが増えれば増えるほど、卸電力の価格は下がります。それは、よくいっていますが、限界費用がないからです。FIT負担や電源証明書は、取引の過程では仲介業者はマージンをかけてはなりません。
それからここでもはっきりいいますが、市場では通常、グリーン電力商品以外には電源証書付きのグリーン電力は含まれていません。FIT電力ならわかりますが。

 FIT電力と非FIT電力である再生可能エネルギーで発電された電力に関しては、法的にも直接売買が奨められます。ただし、市場にある電力のオファー量によってはそうもいっておれません。株でいう意味での先物買いは技術的にできませんので。

 本文にも書いてあるように、シェーナウにしろ、リヒトブリックにせよグリーン電力に特化した小売業者は、FIT電力の割合を30%余りと前提とした上で、その残りに電源証書の付いたグリーン電力を購入しなければなりません。この分は、ほとんどが安い水力電力です。小売業者によっては、輸入水力も多いですね。ドイツ鉄道がグリーン電力化と唄っているのは、この安い水力を使っているからです。それについても、本文で書いています。

 シェーナウなどまじめなグリーン電力に特化した小売業者は、国内で発電された風力電力の割合を増やそうとしていますが、そうなると電気料金が高くなり、競争力が落ちるので。。。

 また、本文にも書いたように電気料金に再生可能エネルギーで発電する発電設備を助成するための資金を電気料金に上乗せしています。それによって、国内で再生可能エネルギー発電設備を増やそうとしています。
それも電気料金が高くなっている一つの要因です。

 まあ、簡単にいってしまえば、太陽光、風力のほとんどはFIT電力で、これから非FIT電力が増える可能性大。今のところは、非FIT電力であるグリーン電力は安い水力が中心といえますか。ドイツはバイオマスが少ないのも意味があって、バイオガスが中心なんですが、それはピーク電力に使いやすいからです。それにピーク電力は割高なので、発電コストが高くても競争できます。その点も、熱に関する章で書いています。

 小生はシェーナウと契約していますが、それでもVattenfallのエコプアより安いですよ。

読者A
いくつか質問が出て来ました。


1)「株でいう先物買いは技術的にできませんので。」
電力市場では先物買いをしていると書かれています。6年先までも。ドイツ語でのTerminmarktはそうではないのですか。
https://www.next-kraftwerke.de/wissen/strommarkt/energieboerse-eex

2)「グリーン電力に特化した小売業者は、国内で発電された風力電力の割合を増やそうとしていますが、そうなると電気料金が高くなり、競争力が落ちるので。」
これがよくわかりません。再生可能エネルギーによる電力は他の電源(原子力や化石燃料に比べて)に比べて安いのではないのですか。

3)小売業者は卸電力料金を払うだけですよね。FIT負担金は消費者(認定企業を除いて)が払っているのですよね。

4)電源証明書をつけると二重の負担になるとおっしゃっていましたが、どの程度の負担になるのでしょうか。

5)グレー電力、グリーン電力、FIT電力、非FIT電力・再生可能エネルギー電力がすぐわかるようなページを描いていただけるとありがたいです。それも発電業者、電力会社(卸業者と小売業者)、消費者とレベルがありますよね。日本でも同じ仕組みだとおっしゃっていましたが、あまりわかっている人はいないのではないかと思います。

筆者
1)「株でいう先物買いは技術的にできませんので。」
電力市場では先物買いをしていると書かれています。6年先までも。ドイツ語でのTerminmarktはそうではないのですか。
https://www.next-kraftwerke.de/wissen/strommarkt/energieboerse-eex


 ここでは、「株でいう」といっていることに注意してください。もちろん電力市場でも先物買いはできますが、それは株のようにはいかないといっています。常に同じ量を発電している原子力などは可能ですが、発電量に変動のある再生可能エネルギーでは不可能です。なので、再生可能エネルギーのほとんどはスポットマーケットで取引されます。

2)「グリーン電力に特化した小売業者は、国内で発電された風力電力の割合を増やそうとしていますが、そうなると電気料金が高くなり、競争力が落ちるので。」
これがよくわかりません。再生可能エネルギーによる電力は他の電源(原子力や化石燃料に比べて)に比べて安いのではないのですか。


 卸と小売りで分けていることに注意ください。卸はFITを考えなくていいから他より安くなるが、小売りになるとFIT負担がついてきます。
FIT負担というのは、最終消費者だけが負担するものだということをはっきり認識してください。

3)小売業者は卸電力料金を払うだけですよね。FIT負担金は消費者(認定企業を除いて)が払っているのですよね。

 上の項を見てください。電気料金は消費者向けです。

4)電源証明書をつけると二重の負担になるとおっしゃっていましたが、どの程度の負担になるのでしょうか。

 電源証明書は、取引されますので、市場の動向に応じて価格が変動します。

5)グレー電力、グリーン電力、FIT電力、非FIT電力・再生可能エネルギー電力がすぐわかるようなページを描いていただけるとありがたいです。それも発電業者、電力会社(卸業者と小売業者)、消費者とレベルがありますよね。日本でも同じ仕組みだとおっしゃっていましたが、あまりわかっている人はいないのではないかと思います。

 電力のことは電力ことで区別し、電力事業者のことは今度は市場の自由化の問題にかかわっていますので、自由化のことから勉強されたほうがいいかと思いますが。
自由化についても、発電事業者、送電事業者、仲介時業者、小売り事業者がいることを書いていたと思います。

2017年5月18日
読者A
 親しくしているシェーナウ電力会社の元社長のUrsula Sladekさんに問い合わせたところ、下の答えのようにスポット市場(パリとライプチッヒ)では全く電力を購入せず、3年先まで発電業者と契約して買っているとの返事が来ました。シェーナウ電力会社は再生可能エネルギー電力しか購入していないと聞いていますが。これは一種の先物買いなのではないでしょうか。どうなんでしょう?

筆者
 これは、直接の売買契約です。それは、先物買いとは違います。Terminmarkt(先物買い)やspotmarktというのは取引所でのマーケットでのことです。その点、誤解のないように。

 今の再生可能エネルギー法は直接契約を奨めると同時に、再生可能エネルギーで発電された電力を小売りしている事業者は、多くを直接の売買契約を結んで契約していかないことには、再生可能エネルギーで発電された電力を供給したとはっきりいいにくいという問題があります。それについては、認証制度のところで述べています。

 なぜ先物買いと、直接契約が違うかということの大きなポイントは、直接契約のほうが一時再生可能エネルギーで発電された電力が送電網の中になくても、直接契約しておれば年間を通して物理的に再生可能エネルギーで発電された電力を供給していたことを証明しやすいからです。

 多分、こういってもどれだけ理解していただいたかは、とても不安ですがね。

読者A
 多分そうではないかなと思っていました。僕が前にドイツにおいて電力の8割は取引所を通さないで直接売買されると書きました。その時はグレー電力として取引されないのではとも。つまり、グリーン電力として。ですから、もしそうならば、グレー電力云々の区分は相対化されるのでは。

 それとふくもとさんが「発電量に変動のある再生可能エネルギーでは不可能です。なので、再生可能エネルギーのほとんどはスポットマーケットで取引されます。」と書かれたので、問い合わせたのです。グリーン電力を小売している業者(例えばSEWやLIVHTBLICKなど)はスポット市場では買っていないのではないですか。

 確かふくもとさんもそのようなことをどこかでおっしゃっていたような気がしますが。つまり、グリーン電力を販売している小売業者はグリーン電力として直接取引で購入している。それがグリーン電力の発電量と同じならグレー電力の分類はあまり意味はなくなる。つまり、言葉上の問題だけであると。

 どうも頭が混乱してきました。

読者A
 しつこくてすいません。

「先物買いは技術的に不可能」
 発電量に変動のある再生可能エネルギーでは不可能です。なので、再生可能エネルギーのほとんどはスポットマーケットで取引されます。

とありますが、SEWなどが3年先まで契約で買っているのは確かに取引所の先物買いではありませんが、将来の電力を買うという意味で同じように思えるのですが。技術的に可能なのではないですか。

 すいません。何度も質問して。

筆者
 小生は、どこだかにFIT電力も非FIT電力も、直接契約できるし、取引所で取引できますと書いていたと思いますけど。それは、発電者がどう売るか、買い手がどう買うかだけの話です。どうするかは、それぞれがその都度どう判断するかですけどね。

 小生には、いまだにことばにばっかりこだわっていらっしゃるとしか思えませんけどね。

 実際の取引は、だれもグレー電力だということではなく、FIT電力か非FIT電力かで取引しているにすぎません。
それをグレーと呼ぶか、グリーンの呼ぶかだけの話で、どれも再生可能エネルギーで発電された電力です。

 ただもうメールでやり取りすると、揚げ足取りのような感じになるので、進展性がないと思いますけど。

筆者
 技術的に不可能というのは、こういうことです。

 先物買いといっても、再生可能エネルギーの場合は変動が大きいので、ほしいと思った時に再生可能エネルギーで発電された電力がなかったら、技術的には供給できないということです。でも、送電網には電気があるので、電力が供給され、停電することはありません。

 だから、再生可能エネルギーの供給というのは今はまだ帳簿上の辻褄合わせで、ある一定の期間を定めて(通常は一年間単位で)その間に必要な量を物理的に供給したとしているにすぎません。それは、本文でしつこく書いています。
再生可能エネルギーの場合は、そうして物理的に供給したとしかまだできないのです。それで実際に再生可能エネルギーでは供給できない時間帯をいかに少なくするのかが、一番の課題なのです。

 直接契約の場合、直接契約する発電者を増やせば、その発電者が電気を送電網に供給しておれば、それを同時に消費しているとみやしやすいのです。だから、単なる帳簿での辻褄合わせにはなりません。つまり、供給と消費の同時性を確保しやすいのです。なので、直接契約を増やしていけば、再生可能エネルギーで供給できない穴の時間帯を少なくしやすいのです。同時に、できるだけ同時性を確保していけば、再生可能エネルギーしたとという消費者からの信頼性も得やすくなります。

 ここにおいても、先物というこどばにだけこだわっていらっしゃるとしか思えませんが。


 

2017年8月13日日曜日

グリーン電力とは何か?(2)

2017年5月8日
読者B
 確かに「グリーンエネルギーであれば必 FIT の恩恵を受ける」と間違えて思いこんでいました。これについては 2 つ確認したいことと,「FIT電力は、グリーン電力として扱われない」の最初のパラグラフで私は混乱しているので,その部分の質問があります。


- ---

 大企業の負担の例外などを除くと以下のようだと考えました。



* グリーンエネルギー



 グリーンエネルギーは再生可能エネルギ発電施設で生産されたエネルギーを言う。再生可能エネルギー発電施設かどうかは環境庁によって認定される。


* FIT 電力



 グリーンエネルギーであれば FIT の恩恵を受けることが可能である。

 しかし,生産側が恩恵を受けるかどうかを決める。

 そのためグリーンエネルギーであっても生産側で FIT 恩恵を受けないと選択したものもある。


* 市場



 生産側で FIT 恩恵を受けないと選択したもののみがエネルギー市場にでる。

 この FIT 恩恵を受けないものだけ電源証明書がつく。



確認 1: FIT の恩恵を受けるものは市場での取引はされず,たとえば直接消費者との契約などで消費される。ということでいいでしょうか? 何も考えずに,全ての電力は電力市場に出て値段がつくと思いこんでいました。しかし,それでは矛盾が生じてしまいますので,こう考えました。


 電源証明書のついた電力には市場価値がある



確認 2: これは消費者がグリーンエネルギーを好むから,そう証明されたものに価値がつくためと考えていいでしょうか?(炭素税との関係などもありますか?)




- ---



 本文中で私にとって一つ不明な点は,以下の部分です。



- ---

 次に、送電網に供給された電力が再生可能エネルギーで発電されたグリーン電力であり、その電力量が消費者に供給された電力量と一致することを証明します。ここで注意しなければならないのは、ドイツにおいても、日本においても、固定価格買い取り制度(FIT)の枠内で再生可能エネルギーによって発電された電力が、市場では「グリーン電力」として取り扱われないということです。

 ドイツでは、この電力のことを「グレー電力」と呼んでいます(以下では、「FIT電力」とします)。電源表示義務のない日本では、**この電力**だけが「FIT」と表示されることになりました。

- ---



 最後の 2 つの「この電力」などの指すものが私にはあいまいになってしまいました。


   ドイツでは、この電力のことを「グレー電力」と呼んでいます(以下では、
  「FIT電力」とします)。


 この文での「この電力」は,再生可能エネルギーで発電されたグリーン電力だが,生産者が FIT の恩恵を受けないものとしたもの。しかしこれを「FIT電力」とするというのでしょうか? この定義はかなり私には混乱します。FIT の恩恵を受けない「グレー電力」を「FIT 電力」と呼ぶと読みます。


    電源表示義務のない日本では、**この電力**だけが「FIT」と表示され

    ることになりました。



 ここの「この電力」は,先の文を受けて,「ドイツでのグレー電力」と読めます。つまり生産者側が FIT の恩恵を受けないとしたものです。FIT の恩恵を受けないもの「FIT」と日本では表示されるというのは正しいですか?



 FIT の恩恵を受けているものを FIT 電力とし,そうでないグリーンエネルギーを「グレー」と呼ぶのならわかりやすいですが,FIT の恩恵を受けていないグリーンエネルギーを FIT と呼ぶのはちょっとわかりにくいです。

2017年5月9日
読者B
 昨日の私の最後の質問は完全に反対に考えていました。ふくもとさんの文章を読み直せば,

  市場でのグリーン電力とは,再生可能エネルギー生産設備で作られた電力のうち,FIT の 恩恵を受けないものを言う

  市場でのグレー電力とは, 再生可能エネルギー生産設備で作られた電力のうち,FIT の 恩恵を受けたものを言う

でまったく矛盾はありません。わかっていなかったようです。なぜかわかりませんが,FIT と言えば必ずグリーンだという思い込みがありました。
読者A

 またよろしくお願いします。本来なら全部を読んで質問すべきなのでしょうが、このページに引っかかってしまい、あまり先に進めません。あれから色々と考え、調べて次のような理解に至りました。間違っていたら、ぜひ指摘してください。





1)グレー電力

「ドイツにおいても、日本においても、固定価格買い取り制度(FIT)の枠内で再生可能エネルギーによって発電された電力が、市場では「グリーン電力」として取り扱われないということです。ドイツでは、この電力のことを「グレー電力」と呼んでいます」



最初の方に上記のように書かれていますが、誤解されやすいというか、僕は「FITの枠内で再生可能エネルギーによって発電された電力がグレー電力と呼ばれる」と理解してしまいました。しかしグレー電力はドイツではグリーン電力の反対に位置する電力だと理解していたので、その辺から混乱が始まりました。

Der größte Teil der heutigen Stromerzeugung z.B. in Deutschland liefert keinen Ökostrom. Dieser Teil wird als konventionell erzeugter Strom bezeichnet, ebenfalls als Graustrom oder polemisch als Dreckstrom oder Schmutzstrom. (https://www.energie-lexikon.info/oekostrom.html)



2)ドイツの電力取引所で売買されている電力はすべてグレー電力として扱われている。。

ふくもとさんが市場と呼んでいる電力取引所にはグリーン電力というカテゴリーの電力はない。つまり、すべての電力はグレー電力として取引されている。オーストリアの市場にはグリーン電力というカテゴリーがあるそうですが。

An der Strombörse wird in der Regel Graustrom, d.h. nicht gekennzeichneter Strom verkauft.




3)ドイツでは電力取引所で取引されている電力量は全体の20%しかない。残りの80%は直接売買。

In Deutschland werden 80 Prozent des Stroms außerhalb der Börse (OTC) gehandelt. 




4)ということは、グレー電力とグリーン電力には一般的な定義と電力取引所での定義と違いがあると一度断っていただいた方が読者にはわかりやすいと思います。あるいは他の箇所で断っているのかもしれませんが、まだ全部を読んでいませんので、あしからず。



5)再生可能エネルギーの発電に占める割合は27%、供給される電力に占める割合は38%となっていますが、よくわかりませんでした。僕が謎解きに挑戦した結果、得られた結論は、FIT分担金を負担しない、2000以上の企業の消費を外して考えることだと思いましたが、それで正しいのでしょうか。


読者B

 質問についてですが,一番の疑問はグレー電力とグリーン電力の定義の違いがよくわからないということだと思います。いいでしょうか。


 この質問については,ML で指摘した通り,一章まるまるの説明が次の章にあります。


  市場においてグリーン電力とは何か



という章です。



 ふくもとさんの文章はお話になっていて論文形式ではないので,なぜこういうことを言うのかということを主題にして話がすすんでいきます。私にはそれがわかりやすく,興味を保てました。定義だけになるとそのような部分がなくなりますが,ここではあえて定義についてまとめなおしてみます。しかしこれは基本的にふくもとさんの文章を書き直しただけで,ふくもとさんの文章以上のものはありません。むしろ動機づけを除いてしまっている骨抜き版ですが,一方で定義だけは少しはっきりするかと思います。



1. (エネルギーと電力)



  エネルギーの話ですから,エネルギーとは何かですが,これは割愛します。

  電力とエネルギーの関係なども割愛します。しかしこれらが不明なまま議論

  するのはかなり不安です。人権について議論するのに,人権とは何か共通の

  コンセンサスなしで議論できるのかの不安と同様です。



2. FIT 電力



  FIT 電力とは,生産者が FIT の恩恵を受けることを決めた電力を言う。

  これは生産者の意思によって決まることに注意。(FIT の定義は割愛します。)



3. グリーン電力の定義 ()



  グリーン電力とは再生可能エネルギー発電施設で生産された電力を言う。再

  生可能エネルギー発電施設かどうかは環境庁によって法的に認定される。



  注意: グリーン電力の定義については FIT との関係で再定義が必要。「グ

  リーン電力」と呼ばずに,「再生可能エネルギー発電施設で生産された電力」

  と呼ぶ方が正確であり混乱が少ない。なぜならグリーン電力は後に再定義さ

  れるからである。実際ふくもとさんがグレー電力を説明している場所では

  「再生可能エネルギー発電施設で生産された電力」となっている。



4. グリーン電力とグレー電力の定義



4.1 FIT とグリーン電力生産者の関係



  グリーン電力生産者であれば FIT の恩恵を受けることが可能である。

  生産側が恩恵を受けるかどうかを決めることに注意。

  (つまり FIT だからグリーンかというのは基本的には関係ない概念である。だ

  から FIT だからグリーンかどうかというのは私もそうでしたが単なる思い

  込みです。ここは私が最初にひっかかったところですので注意しておきます。

  FIT かどうかは生産者が勝手に決めることです。)



4.2 グリーン電力の再定義とグレー電力の定義



  グリーン電力とは,3 の意味のグリーン電力のうち,FIT

恩恵を受けないものを言う

  グレー電力とは,  3 の意味のグリーン電力のうち,FIT

恩恵を受けたものを言う



 これで言葉については私としてはすっきりしたつもりですが,しかし,ふくも

とさんのように,なぜこういうふうな言葉があるのかという話がここにはまっ

たくありません。私としてはなぜこうするのかのふくもとさんの話の方が面白

かったですが,これとあわせて読まれるとどうでしょうか。



3 4 が定義と制度的に難しいと思うので,その定義の名前を変えられたら

と思います。私にもし名前を変えて良い権限があれば,4.2 で,市場をつけて,



  市場グリーン電力とは,グリーン電力のうち,FIT 恩恵を受けないものを言う

  市場グレー電力とは,  グリーン電力のうち,FIT 恩恵を受けたものを言う



というふうにできたらいいかなと思います。まあこれは私の単なる思い付きです。



 これは骨抜き版なので,そもそもなぜこのように,市場グリーン電力と市場グ

レー電力があるかについての話がありません。ですから,やってみたらやはり

ふくもとさんの説明の方がいいと思います。



 そもそもなぜグレー電力があるのかなどは,この定義をふまえてふくもとさん

の本文の方をご覧頂ければと思います。私にはなぜこんなにややこしくなって

いるのかという説明の方がずっと面白かったです。


2017年5月14日
筆者
 このメールからすると、誤解は溶けたようですが、以下の点について。

さんの質問については、ありがとうございます。さんは、でメールしたいと思います。



* 市場



生産側で FIT 恩恵を受けないと選択したもののみがエネルギー市場にでる。

この FIT 恩恵を受けないものだけ電源証明書がつく。



確認 1: FIT の恩恵を受けるものは市場での取引はされず,たとえば直接消費

者との契約などで消費される。ということでいいでしょうか? 何も考えずに,

全ての電力は電力市場に出て値段がつくと思いこんでいました。しかし,それ

では矛盾が生じてしまいますので,こう考えました。



 いや、FIT恩恵の有無に関わらず、エネルギー市場で取引できます。FIT恩恵のある電力は、エネルギー市場では原子力、火力発電で発電された電力と同等に取り扱われます。なので、グレー電力なのです。同等に扱われると、燃料費などの限界費用がないので、原子力や火力より安くなるのは他の項で書いています。

どちらについても、電気小売り業者が生産者と直接売買契約を結ぶこともできます。



電源証明書のついた電力には市場価値がある



確認 2: これは消費者がグリーンエネルギーを好むから,そう証明されたもの

に価値がつくためと考えていいでしょうか?(炭素税との関係などもありますか?)


 炭素税との直接な関係はないですが、考え方としては逆で、クリーンだということに付加価値を付けるために電源証明書を付けて、証書の取引をさせ、その収益が生産者に渡るようにしています。

 ただ何度もいいますが、FIT電力にはFITで付加価値が付いているので、非FIT電力には電源証明書を付けることで付加価値を付けたともいえます。



 こんな感じでわかりますか。

2017年5月15日
筆者
 SNBの勉強会で、大島さんが託送料のことでも一般の人にはわからないでしょうねとおっしゃっていたのを思い出します。

ただそのほうがもっと簡単で、エネルギー市場のからくりはもっと複雑なので、わからないのは仕方ないと思います。



 ただエネルギーの議論をするには、ここを通っていかないことにはどうしようもないところもありますので、困ったなとは思いながらも一番最初に一番難しい問題と取り組まなければなりませんでした。著者としてはとても困ったのですが、それなりに簡単に説明できたのではないかと思っています。



 ただそれでもわからないといわれるのは、織り込み済みです。



 電力の小売り自由化の仕組みから理解していったほうがいいかとも思いますが、疑問のポイントはグリーン電力なのに市場ではなぜグレー電力なのだというところにひっかかりがあるのだと思います。これは、単にことばに対するひっかりでしかないと思いますが。



 その定義は、Bさんの書かれている通りです。


 ただそれでは骨抜きになるとBさんがおっしゃっている通り、なぜグリーン電力なのにグレー電力扱いするのだということがわかりません。



 再生可能エネルギーで発電された電力をすべてグリーン電力として取引すると、再生可能エネルギーで発電することによる負担をグリーン電力を供給してもらう消費者しか負担できなくなるからです。それでは、一部の消費者の負担ばかりが増えます。なので、その負担をもたらす原因であるFIT制度の恩恵を受ける電力を原子力や火力で発電された電力と同等に取り扱って、負担を広く分配するのです。


 だからこそ、再生可能エネルギーの普及によって電気料金が上がるわけです。

その辺のからくりはわからないで、再生可能エネルギーの普及で電気が高くなると単に自動的に信じ込んでいる人がほとんどだと思います。



 本当は、グリーン電力を供給してもらっている人は少数派のはずなのに、なぜその人たちだけの電気料金が上がらないで、全体で電気料金が上がるのか疑問に思わないといけないのですけどね。



 そでまず、ドイツにおいて(!!)再生可能エネルギーで発電された電力のうち、FITの恩恵を受けるものをFIT電力とし、FITの恩恵を受けない電力を非FIT電力としましょうか。



 ドイツの発電に占める再生可能エネルギーの割合はというと、ドイツで発電されたFIT電力+非FIT電力から出します。



 発電された電力は取引されます。それが電力市場です。でも市場というのは、単に卸電力取引所で取引される電力ばかりではありません。直接売買される電力も、市場の枠内に入ります。市場というのは、取引される全体です。



 FIT電力も非FIT電力も、卸電力取引所で取引されますし、直接売買もされます。ただ市場では、非FIT電力の中に輸入電力もありますので、注意が必要です。ただ、輸入されるグリーン電力は、他国のFIT電力でもあることは本文に書いた通りです。



 さらにドイツのFIT電力も非FIT電力も、他国に輸出することができます。その時に問題になるのは、ドイツのFIT電力はグリーン電力として取り扱われないので、ドイツからFIT電力を輸入すると、ドイツでのFIT負担を免除されることになります。FIT制度はドイツの国内制度なので。



 さらに、一般消費者に供給される電力には、30%余りのFIT電力が含まれると書いています。これは、あくまでも平均値で、小売業者がどうやって電力を購入したかによって小売業者の電力商品の間に微妙な違いがあります。

ただ、実際の再生可能エネルギーの割合が30%にならないのに、消費者の電力には30%以上の再生可能エネルギーが含まれているとするのは、大手企業がFITの負担を免除されているからです。それについては、本文でもはっきり書いています。



 これで、だいたいのことは理解いただけたでしょうか。



グリーン電力とは何か?(1)

  グリーン電力の定義について、読者とメールのやり取りがありましたので、ページを新しくして、そのやり取りの掲載しておきます。

まさお


2017年5月4日
読者A
 「エネルギー選択宣言」アップありがとうございます。膨大な量ですね。ゆっくり読んでみたいと思います。まず「FIT電力は、グリーン電力として扱われない」を読んでみました。正直言ってよくわかりません。こちらの頭が老化しているせいでしょうか。何度か読んでみて、その上で質問をしたいと思います。

読者B
 エネルギー選択宣言は面白かったです。入門としても面白かったに,その先にも行ける道が示されていることと,自分で考える部分が散見されることもよかったです。

 グリーンエネルギーと FIT はもともとエネルギー(グリーンエネルギー) とそれをどう社会で負担するか (FIT) ですから違いがありますが,それとはまた別に,ものに値段のついた市場という場でのグリーンエネルギーの定義が別というところがあります。ただ,これは「市場においてグリーン電力とは何か」という節まで用意されて説明されていて,私には丁寧な説明と思いました。基本的にはお金の流れによる定義の違いで,それが語感に合わないというようなことではないかと思います。



2017年5月7日

読者B
 私の理解に自信がなくなりました。

 私はグリーンエネルギーと FIT の関係が負担の都合によって市場では生産側と消費側で違うものと定義されていること,その上で大企業は FIT の負担を逃れて市民がその分負担していること。グリーンエネルギーの生産量のシェアが全体に対して増大すると,負担の不公平の問題がより顕在化するので,今後変えていく必要があるのではないか,そういう疑問をふくもとさんが投げていると拝読して納得しているつもりでした。

 もう少し詳しく申し上げますと,私は以下のように理解しました。生産側と消費側があり,それぞれ2種類のカテゴリーがある。(このカテゴリーにはシンメトリーがない(生産側はグリーンかどうか,消費側は大企業かどうかと異なる)ので分類がちょっとわかりにくいですが)

  生産側:
    1: グリーンエネルギー生産側は FIT の恩恵を受ける
(グリーンエネルギー発電側が補助金を受ける)
    2: グリーンエネルギー以外の生産側は FIT の恩恵を受けない
  消費側:
    1: FIT の負担は FIT 以外の電力を使う人も分担する
(使う側の負担,グリーンでないものを使っても FIT 負担はする)
    2: 消費電力の多い大企業は使う側なのに FIT の負担を免除されている
(使う側の負担の例外)

 発電側から見れば,グリーンエネルギーは全て FIT の恩恵を受ける。しかし,市場で (買う) 側はそれを区別しないで全体で負担する。しかし例外として,大企業はその負担をしない。

 もう少しまとめると,

「生産側としては,グリーン電力ならば FIT の恩恵を受けられる。しかし,負担側としてはグリーン電力以外でも FIT の負担をする。」

 これが,「FIT 電力は,グリーン電力として扱われない」の意味だと理解したのですが,これでいいでしょうか?

 Aさんが私にしている質問は,「ドイツのグリーンエネルギーは厳密に言うと何パーセントになるのか,電源証明書は電力の何 % ぐらいの価格に上乗せされるのか不明なのでどの位なのか教えて欲しいなどなど」というものです。

 私は,ふくもとさんの話は,「この現在の仕組みによって負担が不公平になっていく」ということが一番の問題,それこそが本質の部分だと思っています。しかし,Aさんの質問はこの部分を飛ばしての上記のようなものなので,そもそも何が質問なのか当惑しています。

 そのため,どうも私が何か勘違いしているのかもしれないと思い,このような読み方で良いのか,すみませんが教えて下さい。そもそも私が的外れなら,私が答えても仕方ないと思います。

筆者
 解釈はかなり正しいのですが、グリーン電力の根本が違います。

 本文ではくどく書いていると思うのですが、再生可能エネルギーで発電されたものがすべてFIT電力ではないことです。

 生産側がFITの恩恵を受けるか、受けないかを決めます。もちろん、FITの恩恵を受けたほうが得なので(投資の安定性がある)、FITの恩恵を受けない再生可能エネルギーで発電された電力はごくわずかです。

 それで、このFITの恩恵を受けない再生可能エネルギーで発電された電力だけを市場ではグリーン電力といいます。これは、本文では明確に定義しているはずです。なので、再生可能エネルギーで発電された電力には、FIT電力とFIT外電力があることになります。

 一般に、ドイツの再生可能エネルギーによる発電の割合はといわれると、このFIT電力とFIT外電力を足したものです。もちろん、ここでは国内で発電されたものを対象としますが、市場では国外から輸入された電力も取引され、消費されたことにしていますとでも書きましょうか。これも、帳簿上のことだけなので。

 でも、市場ではこのFIT外電力しかグリーン電力として認めず、それに対してだけ電源証明書を発行し、それに値段をつけて取引します。電気価格とは関係なく、市場での競争で証明書の価格は変わっていきます。これもある意味で、再生可能エネルギーで発電された価値を高めるので、生産者に対するFITに代わる助成です。

 ただ、FIT電力にこの電源証明書による助成をつけると二重に助成することになるので、ドイツではFIT電力には電源証明をつけないと書きました。

 それに対してドイツ以外ではFIT電力にも電源証明書をつけるので、ドイツの市場でグリーン電力を販売する場合に国外で発電されたグリーン電力を購入するので、それではドイツ国内で本来推進したい風力や太陽光が増えていかないという矛盾があることは書いたと思います。結局、現実問題として、グリーン電力として市場で取引されているものは、水力発電された安い電力ですね。それに風力発電された電力が少しずつ増えてきています。

 数年後には、市場でFITの恩恵を受けないグリーン電力が今後もっと増えていくと思います。というのは、再生可能エネルギー法の大幅改正が2000年で、それによってFIT電力が大幅に増えていきました。FIT対象期間は20年なので、まもなくFIT期限が切れていきます。そうなると、市場がどう動いていくかですけどね。

 それ以外、一般市民の負担の問題や不公平の問題などはの理解でいいと思います。

 これではっきりしたでしょうか。それとももっと混乱しましたか。

 いずれにせよ、とても複雑な構造ですし、時の変化によって変わってきましたので、今のところこうだということですがね。
 

2017年5月14日日曜日

全文PDF版の公開

『エネルギー選択宣言』の連載は、ホームページ上ではすでに完結しています。ホームページ上では、すでに全文PDF版(A4105ページ)がダウンロードできるようにしてあります。

全文PDF版をご希望の方は、以下からダウンロードしてください。

まさお

2017年5月3日水曜日

コメント投稿の問題

 このブログを立ち上げて2カ月経ちますが、ブラウザーによっては、コメントを投稿したくてもコメントが表示されないことがようやくわかりました。

 ここではグーグルのBloggerを使っていますが、 Bloggerではコメント投稿を埋め込み式にすると、エクスプローラやファイアフォックスなどのブラウザーではコメントを投稿してもアップできません。

 そのため、コメント投稿を埋め込み式からホップアップウィンドウ式に変えました。

 これまでコメントを入れたのに、コメントが表示されないという方もいらしたかもしれません。

 これで、誰でもコメント投稿が可能なはずです。エネルギーに関して活発に議論できればと思います。

まさお