2017年8月13日日曜日

グリーン電力とは何か?(1)

  グリーン電力の定義について、読者とメールのやり取りがありましたので、ページを新しくして、そのやり取りの掲載しておきます。

まさお


2017年5月4日
読者A
 「エネルギー選択宣言」アップありがとうございます。膨大な量ですね。ゆっくり読んでみたいと思います。まず「FIT電力は、グリーン電力として扱われない」を読んでみました。正直言ってよくわかりません。こちらの頭が老化しているせいでしょうか。何度か読んでみて、その上で質問をしたいと思います。

読者B
 エネルギー選択宣言は面白かったです。入門としても面白かったに,その先にも行ける道が示されていることと,自分で考える部分が散見されることもよかったです。

 グリーンエネルギーと FIT はもともとエネルギー(グリーンエネルギー) とそれをどう社会で負担するか (FIT) ですから違いがありますが,それとはまた別に,ものに値段のついた市場という場でのグリーンエネルギーの定義が別というところがあります。ただ,これは「市場においてグリーン電力とは何か」という節まで用意されて説明されていて,私には丁寧な説明と思いました。基本的にはお金の流れによる定義の違いで,それが語感に合わないというようなことではないかと思います。



2017年5月7日

読者B
 私の理解に自信がなくなりました。

 私はグリーンエネルギーと FIT の関係が負担の都合によって市場では生産側と消費側で違うものと定義されていること,その上で大企業は FIT の負担を逃れて市民がその分負担していること。グリーンエネルギーの生産量のシェアが全体に対して増大すると,負担の不公平の問題がより顕在化するので,今後変えていく必要があるのではないか,そういう疑問をふくもとさんが投げていると拝読して納得しているつもりでした。

 もう少し詳しく申し上げますと,私は以下のように理解しました。生産側と消費側があり,それぞれ2種類のカテゴリーがある。(このカテゴリーにはシンメトリーがない(生産側はグリーンかどうか,消費側は大企業かどうかと異なる)ので分類がちょっとわかりにくいですが)

  生産側:
    1: グリーンエネルギー生産側は FIT の恩恵を受ける
(グリーンエネルギー発電側が補助金を受ける)
    2: グリーンエネルギー以外の生産側は FIT の恩恵を受けない
  消費側:
    1: FIT の負担は FIT 以外の電力を使う人も分担する
(使う側の負担,グリーンでないものを使っても FIT 負担はする)
    2: 消費電力の多い大企業は使う側なのに FIT の負担を免除されている
(使う側の負担の例外)

 発電側から見れば,グリーンエネルギーは全て FIT の恩恵を受ける。しかし,市場で (買う) 側はそれを区別しないで全体で負担する。しかし例外として,大企業はその負担をしない。

 もう少しまとめると,

「生産側としては,グリーン電力ならば FIT の恩恵を受けられる。しかし,負担側としてはグリーン電力以外でも FIT の負担をする。」

 これが,「FIT 電力は,グリーン電力として扱われない」の意味だと理解したのですが,これでいいでしょうか?

 Aさんが私にしている質問は,「ドイツのグリーンエネルギーは厳密に言うと何パーセントになるのか,電源証明書は電力の何 % ぐらいの価格に上乗せされるのか不明なのでどの位なのか教えて欲しいなどなど」というものです。

 私は,ふくもとさんの話は,「この現在の仕組みによって負担が不公平になっていく」ということが一番の問題,それこそが本質の部分だと思っています。しかし,Aさんの質問はこの部分を飛ばしての上記のようなものなので,そもそも何が質問なのか当惑しています。

 そのため,どうも私が何か勘違いしているのかもしれないと思い,このような読み方で良いのか,すみませんが教えて下さい。そもそも私が的外れなら,私が答えても仕方ないと思います。

筆者
 解釈はかなり正しいのですが、グリーン電力の根本が違います。

 本文ではくどく書いていると思うのですが、再生可能エネルギーで発電されたものがすべてFIT電力ではないことです。

 生産側がFITの恩恵を受けるか、受けないかを決めます。もちろん、FITの恩恵を受けたほうが得なので(投資の安定性がある)、FITの恩恵を受けない再生可能エネルギーで発電された電力はごくわずかです。

 それで、このFITの恩恵を受けない再生可能エネルギーで発電された電力だけを市場ではグリーン電力といいます。これは、本文では明確に定義しているはずです。なので、再生可能エネルギーで発電された電力には、FIT電力とFIT外電力があることになります。

 一般に、ドイツの再生可能エネルギーによる発電の割合はといわれると、このFIT電力とFIT外電力を足したものです。もちろん、ここでは国内で発電されたものを対象としますが、市場では国外から輸入された電力も取引され、消費されたことにしていますとでも書きましょうか。これも、帳簿上のことだけなので。

 でも、市場ではこのFIT外電力しかグリーン電力として認めず、それに対してだけ電源証明書を発行し、それに値段をつけて取引します。電気価格とは関係なく、市場での競争で証明書の価格は変わっていきます。これもある意味で、再生可能エネルギーで発電された価値を高めるので、生産者に対するFITに代わる助成です。

 ただ、FIT電力にこの電源証明書による助成をつけると二重に助成することになるので、ドイツではFIT電力には電源証明をつけないと書きました。

 それに対してドイツ以外ではFIT電力にも電源証明書をつけるので、ドイツの市場でグリーン電力を販売する場合に国外で発電されたグリーン電力を購入するので、それではドイツ国内で本来推進したい風力や太陽光が増えていかないという矛盾があることは書いたと思います。結局、現実問題として、グリーン電力として市場で取引されているものは、水力発電された安い電力ですね。それに風力発電された電力が少しずつ増えてきています。

 数年後には、市場でFITの恩恵を受けないグリーン電力が今後もっと増えていくと思います。というのは、再生可能エネルギー法の大幅改正が2000年で、それによってFIT電力が大幅に増えていきました。FIT対象期間は20年なので、まもなくFIT期限が切れていきます。そうなると、市場がどう動いていくかですけどね。

 それ以外、一般市民の負担の問題や不公平の問題などはの理解でいいと思います。

 これではっきりしたでしょうか。それとももっと混乱しましたか。

 いずれにせよ、とても複雑な構造ですし、時の変化によって変わってきましたので、今のところこうだということですがね。
 

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